「初回クーポンからの予約は入るけれど、2回目につながらない」
「初回料金を安くしすぎて、利益が残らない」
「通常料金を案内すると、お客様が離れてしまう」
「初回来店後に何を案内すればよいか分からない」
「回数券を勧めることに抵抗がある」
「お客様に売り込んでいると思われたくない」
このような悩みを感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
問題は、必ずしも接客や施術の質だけにあるわけではありません。初回来店から、次の利用までの流れが設計されていないことにも原因があります。
「初回体験」と「入口メニュー」の違い
初回体験は、初めて施術を受けてもらうことだけで終わってしまう場合があります。一方、入口メニューは、次のところまで含めて設計します。
- 対象となるお客様が分かる
- 初回に体験できる内容が分かる
- 施術後に確認することが決まっている
- 次に選べるメニューが分かる
- 来店後もLINEなどでつながりを残せる
「初回メニュー=安いメニュー」ではありません。入口メニューとは、お客様が自分に合う施術か、サロンの雰囲気は安心できるか、続ける場合にどのような方法があるかを確認できるメニューです。
安さだけを入口にした場合に起こりやすいこと
安さだけを理由に来店したお客様は、通常価格に戻ったときに離れやすい傾向があります。安さがきっかけで来店してくださること自体は、決して悪いことではありません。
ただし、価格以外に伝わるものがなければ、通常メニューへ移行する理由が見つからないまま、来店が一度きりで終わってしまうことがあります。
入口メニューに必要な役割
入口メニューには、初めてのお客様の不安や迷いを減らし、自分に合うメニューかどうかを判断してもらう役割があります。売りたい商品を押しつけるのではなく、お客様が自分に合う方法を判断するための入口として整えることが大切です。
ポイント1.誰のどのような悩みのためのメニューかを明確にする
これまでのコラムでもお伝えしてきたように、対象を具体的にすることは、お客様を限定することではありません。入口メニューでも同じように、どのような悩みを持つ方に向けたメニューかを明確にします。
ポイント2.初回で何を体験・確認できるのかを明確にする
初回来店時に、サロンの施術や接客を体験してもらうことが入口メニューの目的の一つです。何を確認できるメニューなのかが分かると、お客様も安心して申し込みやすくなります。
ポイント3.施術後の次の選択肢を分かりやすくする
施術後に、次にどのような選択肢があるかが分かるようにします。お客様を無理に回数券や高額コースへ誘導することが目的ではありません。悩みや希望に合わせて、選べる方法を分かりやすく案内します。
ポイント4.通常メニューや継続メニューとのつながりを作る
入口メニューは、通常メニューや継続メニューと切り離されたものではなく、つながっている必要があります。初回だけで利益を出そうとするのではなく、その後の関係まで設計しておきましょう。
ポイント5.LINEで来店前後のフォローを行う
LINE登録や来店後のフォローも、入口導線の一部として考えます。来店前と来店後、それぞれのタイミングで必要な情報を届けることで、次の来店につながりやすくなります。
VIOワックスの入口メニュー例
単に「初回限定VIOワックス」とするのではなく、次のような内容を組み合わせます。
- 自己処理後のチクチクや肌荒れが気になる方へ
- その日のうちにすっきり整えたい方が対象
- 初回来店時に施術の流れを事前に説明する
- 痛みや恥ずかしさに配慮した対応を伝える
- 施術後の肌状態とホームケアを案内する
- 次回の目安や、ワックスのみ、フラッシュとの組み合わせなどの選択肢を説明する
- 無理に継続契約を勧めない
- 不明点はLINEで相談できる
ここで挙げた内容は一例です。すべてのサロンが同じ対応をしているわけではありませんので、自分のサロンで実際に行っている内容を選んで伝えてみてください。
ヒゲ脱毛の入口メニュー例
単に「初回ヒゲ脱毛」とするのではなく、次のような内容を組み合わせます。
- 毎朝のヒゲ剃りを少しでも楽にしたい方へ
- 初回に希望する範囲や仕上がりを確認する
- 施術範囲を分かりやすく表示する
- 痛みに配慮した対応を説明する
- 1回で完了する施術ではないことを誤解なく伝える
- 継続する場合の来店頻度や選択肢を案内する
- 都度払い、少ない回数からの利用など、実際に用意している方法を案内する
- 無理なコース契約を行わない方針を伝える
- 来店後はLINEで注意事項や次回目安を案内する
効果を断定せず、「目指します」「負担を減らしたい方へ」といった表現を使うことで、無理のない伝え方になります。
施術後の選択肢について
初回施術後に、すぐ一つの商品へ誘導するのではなく、たとえば次のような選択肢を提示することができます。
- 今回と同じメニューを都度利用する
- 定期的に通う
- 別の施術と組み合わせる
- 少ない回数から試す
- 自宅で一度検討する
- LINEで質問してから決める
選択肢は、実際にサロンで提供している内容だけを案内するようにしましょう。お客様がその場で決めなくても、後から確認・相談できる流れを作ることが重要です。
LINEの役割
公式LINEは、初回割引を送るだけの手段ではありません。入口メニューの前後を支えるためにも活用できます。
来店前には、たとえば次のような情報を届けます。
- 初回来店時の流れ
- 施術前の準備
- よくある質問
- 店舗までの案内
- 変更やキャンセルの方法
来店後には、たとえば次のような情報を届けます。
- 施術後の注意事項
- ホームケア
- 次回来店の目安
- よくある経過
- 不安がある場合の相談方法
- 次に選べるメニュー
毎回すべてを送る必要はありません。お客様に必要な情報を、適切なタイミングで届けることが大切です。
初回だけで終わりやすい入口メニューの共通点
- 安さしか伝わっていない
- 誰向けのメニューか分からない
- 初回で何を確認できるか分からない
- 施術後の説明がない
- 次に選べるメニューが分からない
- 通常料金との差が大きすぎる
- 初回後に連絡やフォローがない
- 来店時にいきなり高額な契約だけを勧めている
- お客様が自宅で検討するための情報がない
- LINE登録後もクーポンしか届かない
自分の入口メニューを確認するチェック項目
現在の初回メニューを一つ選び、次の質問で確認してみてください。
- この入口メニューは、誰のどのような悩みのためのものですか?
- 初回で受けられる施術内容は明確ですか?
- 所要時間と料金は分かりやすくなっていますか?
- 追加料金が発生する条件は書かれていますか?
- 初めてのお客様が感じる不安に答えていますか?
- 施術後にどのような説明をするか決まっていますか?
- 次に選べるメニューが複数ありますか?
- その場で決めなくても、後から相談できますか?
- 来店後にLINEで必要な情報を届けていますか?
- 初回料金だけでなく、通常利用時の料金も分かりますか?
- 初回割引がなくても、選ぶ理由が伝わっていますか?
すべてを一度に作り直す必要はありません。まずは、新規のお客様が一番多いメニューから見直してみましょう。
まとめ
入口メニューに必要なのは、単なる値引きではなく、次の5つです。
- 誰のどのような悩みのためのメニューか
- 初回で何を体験・確認できるか
- 施術後にどのような選択肢があるか
- 通常メニューや継続メニューとどうつながるか
- LINEで来店前後の関係をどう続けるか
初回体験だけで終わらせないことは、高額な契約を勧めることではありません。お客様が自分に合う方法を理解し、安心して次の利用を判断できるようにすることです。
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