「幅広い年代の方におすすめです」
「初めての方にも人気です」
「多くのお客様にご利用いただいています」
このような説明を、サロンのメニューや投稿に使っていませんか。できるだけ多くの方に来店してほしいと考えると、対象を狭くしない言葉を選びたくなります。
しかし、幅広い人に向けた言葉は、見た人にとって、「自分にも関係があるのかもしれないけれど、今すぐ必要ではない」という印象になりやすいことがあります。
お客様にメニューを選んでもらうためには、多くの人に当てはまる説明にするのではなく、「これは、今の私の悩みに合っている」と思ってもらえる伝え方が必要です。
今回は、お客様に「私のためのメニュー」と感じてもらうための考え方をお伝えします。
年齢や性別だけでは、お客様の悩みは分からない
対象となるお客様を考えるとき、次のように年齢や性別で分けることがあります。
- 30代女性
- 40代以上の方
- 男性のお客様
- 脱毛が初めての方
もちろん、対象を整理するためには必要な情報です。ただし、同じ30代女性でも、悩みや施術を受けたい理由は同じではありません。
たとえば、VIO脱毛を検討している方にも、次のようなさまざまな理由があります。
- 自己処理後のチクチクが気になる
- カミソリによる肌荒れを減らしたい
- 生理中の不快感を少なくしたい
- 旅行や温泉の前に整えたい
- 将来に向けて少しずつケアを始めたい
- 初めてなので痛みや恥ずかしさが不安
年齢や性別だけでは、お客様が「なぜ今、そのメニューを探しているのか」までは分かりません。お客様に「私のため」と感じてもらうためには、属性だけではなく、今どのようなことで困っている人なのかまで考える必要があります。
「誰におすすめか」より「どんなときに必要か」を考える
メニューの対象者が思い浮かばないときは、次のように考えてみましょう。
お客様は、どのような場面でこの施術を受けたいと思うのでしょうか。
VIOワックスを探す場面の例
- 自己処理をしても、すぐにチクチクしてしまうとき
- カミソリ負けや肌荒れを繰り返しているとき
- 急な旅行や温泉の予定が入ったとき
- デリケートゾーンを清潔に整えたいと感じたとき
- 自分でどこまで処理すればよいか分からないとき
ヒゲ脱毛を探す場面の例
- 毎朝のヒゲ剃りに時間がかかっているとき
- 夕方になると青ヒゲが目立つと感じるとき
- カミソリ負けや肌荒れを繰り返しているとき
- 人と会う仕事で、清潔感を整えたいと感じたとき
- 自分に合う脱毛方法が分からないとき
このような「お客様が施術を探す場面」を言葉にすると、メニューの説明が具体的になります。
サロン側の言葉ではなく、お客様の言葉を使う
サロン側は、施術の特徴を伝えるときに、専門的な言葉を使いがちです。たとえば、次のような説明です。
- 最新機器を使用
- 毛周期に合わせた施術
- 丁寧な照射
- 高品質なワックスを使用
- 抑毛効果が期待できるトリートメント付き
これらは施術を説明するために必要ですが、それだけではお客様が自分に必要なメニューかどうかを判断しにくい場合があります。お客様が普段感じている言葉に置き換えてみましょう。
変更前
高品質なワックスを使用したVIOワックス
変更後
自己処理後のチクチクや肌荒れが気になる方へ。自分では処理しにくい部分まで、その日のうちにすっきり整えるVIOワックスです。
施術内容は同じでも、後者の方が「自分が困っていることについて書かれている」と感じてもらいやすくなります。
悩みだけでなく、施術後の生活まで伝える
「私のためのメニュー」と思ってもらうには、現在の悩みだけでなく、施術後にどのような変化があるのかも伝えます。たとえば、ヒゲ脱毛の場合です。
変更前
男性に人気のヒゲ脱毛です。丁寧に照射します。
変更後
毎朝のヒゲ剃りを少しでも楽にしたい方へ。青ヒゲや自己処理による肌荒れを減らし、清潔感のある印象を目指します。
後者では、次のような施術後の生活を想像できます。
- 朝の準備が楽になる
- 肌への負担を減らせる
- 清潔感のある印象を目指せる
お客様は、施術そのものを買いたいだけではありません。施術を受けることで得られる、生活の変化や気持ちの変化を求めています。
お客様が感じている不安も言葉にする
お客様は、悩みがあるからといって、すぐに予約できるとは限りません。特に初めての施術では、次のような不安を感じています。
- 痛かったらどうしよう
- 恥ずかしくないだろうか
- どのくらい処理して行けばよいのか
- 高額なコースを勧められないか
- 自分に合わないメニューを選んでしまわないか
そのため、メニューの説明には、お客様が安心できる情報も加えます。たとえば、次のような内容です。
- 初めての方には施術の流れを事前に説明します
- 自己処理の方法が分からない場合は、予約前にLINEでご相談いただけます
- 女性スタッフが最初から最後まで担当します
- 施術中は必要な部分以外をタオルで覆います
- 都度払いのメニューからお選びいただけます
- 無理なコース契約のご案内は行いません
サロンにとっては普段から行っている当たり前の対応でも、お客様にとっては、予約を決めるための大切な情報になります。
対象を具体的にしても、受けられる人を限定する必要はない
「対象を具体的にすると、それ以外のお客様が来なくなるのではないか」と心配になる方もいるかもしれません。しかし、対象を具体的にすることは、施術を受けられる人を限定することではありません。メニューを見たお客様が、自分との共通点を見つけやすくするためのものです。
たとえば、「自己処理後のチクチクが気になる方へ」と書いても、それ以外の理由でVIOワックスを受けたい方を断るわけではありません。まずは一番伝えたい悩みを入口にして、詳しい説明の中で、次のような複数の悩みを伝えることもできます。
- 肌荒れが気になる方
- 旅行前に整えたい方
- 自分で処理するのが難しい方
- 初めてプロに任せたい方
誰にでも当てはまる言葉を一つ書くよりも、具体的な悩みをいくつか見せる方が、お客様は自分に近いものを見つけやすくなります。
同じ施術でも、見せ方を変えることができる
新しいメニューを増やさなくても、同じ施術を異なる悩みから見せることができます。たとえば、同じVIOワックスでも、次のように角度を変えられます。
自己処理の悩みから伝える
自己処理後のチクチクや肌荒れが気になる方へ
予定や行事から伝える
旅行や温泉の予定に合わせて、その日のうちにすっきり整えたい方へ
初めての不安から伝える
VIO施術が初めてで、痛みや恥ずかしさが不安な方へ
将来のケアから伝える
自分で処理しにくくなる将来に向けて、少しずつデリケートゾーンケアを始めたい方へ
施術自体は同じでも、投稿やコラム、LINE配信では、伝える角度を変えることができます。一つのメニューについて一度だけ投稿して終わるのではなく、複数のお客様の悩みに合わせて、繰り返し伝えてよいのです。
自分のメニューをお客様の言葉に変えてみましょう
現在、新規のお客様に一番来てほしいメニューを一つ選び、次の質問に答えてみてください。
- そのメニューを探す人は、どのような場面で困っていますか?
- お客様は、その悩みを普段どのような言葉で表していますか?
- 施術後、生活や気持ちはどのように変わりますか?
- 予約する前に、どのような不安を感じていますか?
- その不安に対して、サロンではどのような対応をしていますか?
- 同じ施術を、別の悩みから伝えることはできますか?
すべての答えを、メニュー名の中に入れる必要はありません。メニューの説明文、投稿、ホームページ、公式LINEなどに分けて伝えます。まずは、「誰におすすめかではなく、どのようなことで困っている人に必要なのか」を一つ考えるところから始めてみてください。
まとめ
お客様に「私のためのメニュー」と思ってもらうためには、年齢や性別だけで対象を考えるのではなく、次の内容を具体的にします。
- どのような場面で困っているのか
- お客様自身は、その悩みをどのような言葉で表しているのか
- 施術後、生活や気持ちがどのように変わるのか
- 予約前にどのような不安を感じているのか
- サロンでは、その不安にどのように対応しているのか
対象を具体的にすることは、お客様を減らすことではありません。お客様がメニューを見たときに、「これは今の私に必要かもしれない」「このサロンなら、私の悩みを分かってくれそう」と判断できる情報を増やすことです。
メニューをただ広く見せるのではなく、悩みを持っているお客様に届く言葉へ変えていきましょう。
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